“和食を薬膳で説く”‐たたきゴボウ‐

2021.11.11

“和食を薬膳で説く”

 利尿・整腸・咳止め・強壮・解熱・解毒等々、多用な薬効を持つゴボウ。

 中国やヨーロッパでは古くから薬として用いられてきました。
 日本には平安時代に伝わったとされ、当時は薬草として扱われ、食用になったのは江戸時代から明治にかけてとされます。

 

 漢方では、種は「悪実」または「牛蒡子」「大力士」といい、解熱や解毒・利尿・排膿作用を持つ薬として用いられています。

  ゴボウを食用とするのは日本と朝鮮半島の一部だけですが、豊富な食物繊維は、便の量を増やして腸の蠕動運動を高めたり、乳酸菌の活動を活発にして、便秘の解消に役立ちます。

 
 「大根頭にゴボウ尻」ということわざがありますが、大根は頭の太いところ、ゴボウはしっぽの方が柔らかくておいしいとされます。

 煮物には、できるだけしっぽに近い部分を使い、頭のほうは炒め物や揚げ物に利用するとよいでしょう。

 

 気をつけたいのは、決して皮をこそげおとさないこと。

 皮と実の間にこそ、うま味も香りも薬効成分も多く含まれるので、皮はタワシでこする程度にしましょう。
 火も通りやすいので、加熱はシャキシャキ感が残る程度に短時間で仕上げ、ゴボウ特有の香りや歯触りを存分に味わってください。

 
 ところで、寒性のゴボウは、体熱を冷ます作用が強いのが特徴
 体内の余分な熱を除いて、熱性の炎症や腫れものなどを改善する効果が得られます。

 ただし、胃腸を冷やし過ぎないように、苦味の相克にあたる、辛味・温性の唐辛子を必ず添えるようにしましょう。

 定番料理、きんぴらゴボウに、唐辛子が不可欠なのも、こうした理由があります。

 

 そこで、関西のおせちに欠かせない“たたきゴボウ”に、唐辛子の辛味を加えて陰陽のバランスを良くした“薬膳的たたきゴボウ”の作り方をご紹介します。

 
 これからの季節、食卓に加えて、ゴボウの薬効にあやかりましょう。

 

【たたきゴボウの作り方】

 

材料(2人分)

 ゴボウ…1
 白炒りごま大さじ1
 A 砂糖大さじ3
   酢大さじ1
   しょうゆ大さじ2
 辛味味噌小さじ1
 糸唐辛子…適量

 

作り方

 ① ゴボウはタワシで汚れを落とし、鍋に入る長さに切り、酢少々(分量外)を入れた熱湯でゆでる。
   粗熱がとれたら、まな板にのせてすりこぎでたたき、45㎝長さに切る。
 ② すり鉢でゴマをすり、Aを加えてさらにする。
 ③ ②にゴボウを加えてあえ、器に盛って糸唐辛子を飾る。

前の画面へ戻る